デスクワークによる右首から右肩甲骨周りの痛み「仕事が忙しくなると辛くなっていたけれど、楽になったおかげで仕事がはかどるようになれた」
患者さま
デスクワークによる右首から右肩甲骨周りの痛み「仕事が忙しくなると辛くなっていたけれど、楽になったおかげで仕事がはかどるようになれた」
ご来院時の症状を、まとめますと次の通りです。
・デスクワークなので、よく肩がコル。
・仕事で疲れると、右の首筋~肩甲骨内側に痛みが強くなる。
・長時間座っていると、背中~腰~お尻がこわばってきて、腰~お尻にダル痛さを感じる。
・数日前から歩いていると、左股関節周囲~左ふとももの外側に痛みを発症するとのこと。
検査
姿勢のチェックを立った状態でまず正面から見ていきますと、頭部が左に傾いていました。
(左耳ー低い、右耳ー高い) 骨盤は右の骨がズレている為に右側が下がり、その為に腰部の背骨も右へ傾いています。
(右骨盤ー低い、左骨盤ー高い) 背骨は土台である骨盤が右に傾いているために、そのスグ上の腰椎は右に傾いています。
そして、胸椎あたりからはバランスをとるために傾きは少なくなりますが、前述のように首で再び傾いてしまいます。
横から見たときに、身体全体が前のめりな状態で立っておられました。
これはちょっと見ているだけでは分かりにくく、患者さま自身でもほとんどの場合は気付かれることはありませんし、動いていたりするとなおさら分からなくなる位のモノです。
たったこれ位の姿勢のクセ(骨のズレ)が、デスクワークなど長時間同一姿勢でいるときには顕著になってきます。
また通常この様な姿勢のクセ(骨のズレ)があると姿勢を良くしないといけないと思っていても、真っ直ぐ座っていることに違和感を覚えるために、ご自分の姿勢のクセのある方向に体をよじってしまいます。
つい足を組んでしまう・横座りをしてしまう・後ろへのけぞるように座ったり背中を丸めていると楽…などといわれる方は、ズレがあると云うことになります。
そして、そのズレをそのままにして身体をよじって生活していると、多くの場合にはいずれ強い症状を発症したり、慢性的な症状の原因になってきます。
骨のズレの調整を続けられて安定してくると、調整する以前はよく脚を組まれていた方でも、真っ直ぐ座っている方が楽になってきて脚を組んだりしている方が違和感を覚えるようになってきます。
そうすると日常生活において、姿勢のクセ(骨のズレ)は戻らなくなって良好な状態が維持できます。
そこまで行けば、しめたもんです(*^_^*)
立位で側面から見たときの理想的な状態とは一般的に、 耳の穴ー肩先ー股関節の中心ー膝の関節外側の中心ー外くるぶしの中心 これらの指標が床に対して、1本の垂直な直線で結ばれることと云います。
この方の場合も一見するだけでは分からない姿勢のバランスが、これらの指標を線で結んで見るとバランスが崩れているところがハッキリ見て取れました。
(例えば、肩先に対して耳の穴が非常に前方に位置していました。これはデスクワークや車の運転などで顎を突き出した体勢で長時間いるだろうと推測できます。 頭の重みは約スイカひと玉くらいですが、その重みが1インチ前方へ移動すると2倍になって首に負担をかけると云いますから、この患者さまの首にも相当な負担がかかり続けていることがわかります。)
また現在の症状が発症してきてからは運動をほとんどされていないとのことでしたが、今回施術で症状が改善し体調が良くなったら、ジョギングをしたりサーフィンにまた行きたいと仰っていました。
このように、ただ症状を無くしたいと云うのみではなく、その先に何か目的や希望があると多くの場合は体調の回復が早くなってきます。
これらの状態を踏まえて、これからの施術の計画(おおよその通院回数や通院頻度など)をご説明させて頂き、目的(施術のゴール)を目指して一緒に頑張っていきましょうという事になれば、調整を始めていきます。
経過
1回目:まず一番に骨盤の調整をして背骨の土台のバランスが整えてから、その上の背骨部分に調整を始めていきます。
(首が辛いからと云って首だけを調整していても、骨盤のバランスが崩れていたままでは、首の状態は根本的に改善しないでしょう)
次に、骨のズレが改善して並びが良くなった骨の間から出てくる神経の流れは調整したために、活性化されま。
その神経が支配している血管や筋肉・内臓などの各器官の働きも活性化されるために、身体は急激に緩んできます。
この時に、ストレッチや適度な運動をしてあげると、効率的に更に身体の状態は改善してきます。
ですので、ご来院の際に当院でも調整と併せて緩和操作を行い、更なる効果を図っていきます。
ここまででも十分に効果は出て来ているのですが、当院では患者さまのご希望により気功三鍼法という施術法で全身に気を流してまいります。
昔から東洋医学では「氣が滞ると、血が滞る」と云い、気を流してあげることで血行が改善されて様々な状態に効果が期待出来るのです。
この患者さまの場合も、気を流すことによって更なる効果をまた図っていきました。
2回目:前回、調整後から自覚症状は半分くらいに減少して肩こりも楽になってきたとのことでした。
まずまず順調な経過と言えるでしょう。
ここで大事なことは、「骨のズレを調整しても初めの頃は、一度ズレた部分の骨は戻りやすい」、その為に自宅でズレが極力戻らないようにする日常での姿勢やセルフストレッチなどを患者さま自身でして頂く事が必要不可欠で、初回施術時に説明させて頂いたこれらの注意ポイントを、この方はしっかり実行されていたと云うことでした。
とはいえ、まだ症状は半分残っていますので前回同様に、骨盤部分から更なる調整を施して背中→首へと骨のズレを直していきます。
そして、緩和操作→気功三鍼法を行い2回目の調整を終了します。
3回目:前回施術後からはまたもう一つ症状が半減したとのことでした。
前回に調整した骨のズレもあまり戻っていないおかげで、順調な経過を維持できています。
今回も施術の流れは基本的に同じで、 骨盤から背骨の調整→緩和操作→気功三鍼法 と進めていきます。
また今回は、更に少しずつ自宅などでして頂けるセルフストレッチのバリエーションを増やしていくために、ご説明させて頂きました。
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7回目:この度のご来院の際には、症状は9割以上改善したとのことでした。
施術は基本的には、同様の手順で施していきました。
体調は改善されて安定しつつあるので、これまでより通院の頻度・回数を空けて行くように施術計画の見直しを行い、説明させて頂きました。
その際に、これまでは症状を改善する為(痛みを取るため)の施術が主目的であり、これからはもっと根本的な問題である部分の調整をして回復力の強化を図っていくことをお薦めいたします。
具体的には、今までの症状の原因だった骨のズレていた部分は良くなってきたのですが、この骨のズレが出来る元になっている前のズレがハッキリ出てきます。
このズレは症状の原因であったズレより古いズレであるので、より頑固であることが多いです。
そしてこの古いズレが直ってくると、またその前にあったズレが出てきます。
そうして言わば、現在に至るまで悪くなってきた経過を元に辿るようにしながら、だんだんと良くなっていくものです。
これらの一連のズレがひと通り整ってくると、根本的な改善が果たせるようになり、その後は症状の再発を防ぐことが出来るようになって他の筋骨格系の症状・関節の変形を予防することが出来ます。
また、疲労があって一時的に肩が凝ったり、腰がダルくなったしたとしても、ゆっくりお風呂に入ってストレッチを軽くして一晩ゆっくり休めば、翌朝にはスッキリ疲労が取れているようになってきます。
但し、痛みなどの症状が無くなれば後は月に1〜2度くらいの定期的なメンテナンス的な調整で大丈夫です♪( ´θ`)
院長コメント
現在、この患者さまは症状が消失し、再発しないように月に2度の定期的な調整の為にご来院されています。
デスクワークや出張など、相変わらずお忙しい日を過ごされていますが、前述のように疲れがあっても翌朝にはスッキリした状態になれる回復力が出来てきたようです。
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